『軒天』に塗装は必要なのか?

[addthis tool="addthis_inline_share_toolbox_18pq"]

今回は、外壁塗装の際にほぼ必須となる塗装箇所である『軒天』についてお話します。

皆さんは、『軒天』という言葉をご存じでしょうか?
また、いったいどの部分を指しているのか分かりますか?

今回は、建物の『軒天』について解説していきます。
軒天とは何か?その役割や軒天を塗装する理由、そして軒天を塗装しない場合の影響についても解説します!

軒天にもしっかりとした役割があり、塗装を行う必要性があります。
このコラムが、外壁塗装を行う際の参考になれば嬉しいです。


この記事の目次

軒天とは?

『軒天』とは、屋根の外壁より出ている部分(軒先)の天井を指す名称です。主に、屋根と外壁の接点に位置している部分ですね。
他の呼び方だと、「軒裏(のきうら)」「軒天井(のきてんじょう)」「軒裏天井(のきうらてんじょう)」「上げ裏(あげうら)」などの様々な種類があります。

ちなみに、上から見下ろした場合は「軒裏」、下から見上げた場合は「軒天」と呼び分ける場所でもあります。

なお、外壁から外側に突き出た屋根部分の裏側は、すべて「軒天・軒裏」と呼ばれます。例えば、ベランダやバルコニーなどが突き出ている場合、そのベランダを下から見上げると、屋根のようになりますよね。この場合も、ベランダの床の裏は『軒天』にあたるので、覚えておくと良いかもしれません。

※以降は、すべて『軒天』と表記します。

軒天の役割

『軒天』がどの場所のことか、理解いただけましたか?
続いて、軒天はどのような役割を持っているのかを説明していきます。

①雨水の侵入を防ぐ

軒天は、雨水や雪が建物に直接当たらないようにし、外壁や窓を雨漏りから守ります

もしも雨水が建物に侵入してしまうと、内部の構造に損傷を与え、カビや腐食の原因となります。その原因を防ぐことで、建物の劣化を抑える役割を果たしています。

②通気性を確保する

軒天は、建物内部の通気を促進する役割も持っています。
適切な通気は湿気の発散を助け、内部の構造物を湿気から保護することになります。

③延焼防止

例えば、住宅で火災が起きた時に軒天がない場合、室内の火が窓からあがり屋根に燃え移りやすくなります。その結果、短時間で建物全体が焼け落ちてしまうことになるのです。

では、なぜ軒天がその役割を果たすことができるのか?
それは、軒天の材質が「ケイカル板」だからです。

「ケイカル板」とは、ケイ酸カルシウム板の略称で、不燃材料として国土交通大臣に認定されています。従来は、主に「不燃系」と「材木系」のどちらかが軒天の材料として使用されていました。しかし、現在は防火及び延焼防止のため、 ケイカル板が現在の主流となっています。

ケイカル板は非常に耐火性が高い素材です。そのため、軒天のお陰で屋根は火から守られていると言っても過言ではありません。

軒天を塗装する理由

それでは、軒天の塗装が必要な理由を2つ解説していきます。

①機能の維持をするため

理由の一つは、機能面についてです。

軒天は、塗装によって防水性や耐候性を維持させることが重要になります。 というのも、軒天は湿気や雨風など外部からの影響を受けやすいためです。

現在、軒天の材料として主流の「ケイカル板」には、もともと防水性がありません。そこで、塗装をすることで防水性を付与しています。そのため、塗装することの重要性がより高まっています。

使用する塗料は、通気性などに富んだ塗料を使用していきます。塗膜で軒天がしっかりと保護されていれば、外壁の劣化も防ぐことができ、結果として建物全体の寿命を延ばすことになります。

②美観を保つため

もう一つの理由は、美観の維持です。

塗装は、軒天や外壁の美観を保つ重要な手段です。例えば、色褪せが起こったり、塗膜の剥がれた状態があったりする場合は、建物全体の印象を損なってしまいます。そのため、定期的なメンテナンスを入れることが定説です。

また、ひとえに軒天といっても、様々なデザインのものが存在します。例えば、木彫の軒天などで高級感ある建物に仕上げた場合、放置された状態では経年劣化が進んでしまいます。せっかく好きなデザインにしても、汚れた状態では残念です。新築時のような状態を長く保つためにも、軒天の塗装は必要といえるでしょう。

軒天を塗装しない場合のデメリット

軒天を塗装しない場合、以下のような悪影響が発生する可能性があります。

①雨漏りのリスク

まずは、雨漏りのリスクがあることです。

軒天の塗装をしない場合、塗膜が劣化し、ひび割れや剥がれなどが起こる場合があります。このとき、雨水などが軒天を通り抜け、屋根裏などの建物内部に侵入するリスクが高まります。

これによって内部の構造物が腐食し、雨漏りなどが起こる可能性があります。

②修理コストの増加

次に、修理コストが増加してしまうことです。

軒天を保護している塗膜が劣化し、雨漏りなどが起こってしまうと、建物内部まで修繕が必要になる場合があります。こうなってしまうと、大規模な修繕となり、必然的に修理コストが膨れ上がります。

結果、塗装のみを依頼するよりも費用がかかってしまうことになります。それだけでなく、自身やご家族の手間を取ることにもなるため、塗装は重要といえるでしょう。

注意すべき塗膜の劣化症状については、以下に記載しています。参考にしてみてくださいね。

  • 色褪せ
  • 剝がれ
  • ヒビ
  • シミ
  • カビ、コケ等

まとめ

軒天は、美観の維持だけでなく、建物全体の耐久性向上機能面の保護にもつながる役目を持っています。日常では雨風などから建物を守り、火事などの有事の際にもとても重要な役割を果たしてくれる存在です。

そのため、外壁塗装を行うことで、その役割を正しく行えるようにしてあげる必要があります。建物に、長く安心して住み続けるためにも、定期的なメンテナンスを心がけていきましょう。