外壁は、家の印象の大部分を占めている部分です。しかし、その外壁を保護する塗料の耐久年数は、10年~20年ほど。それには、紫外線や汚れを原因としたヒビ割れ・塗装剥がれ・色褪せなどの様々な問題があります。
目に留まりやすい外壁は、キレイに保っていたい!そんな方のために、今回は「外壁塗装のツヤ」について詳しくご紹介します。
外壁塗装のツヤについては、おおまかに分類すると<外壁の塗装に艶があるか・ないか>で分けることができます。
今回は、そんな外壁塗装のツヤの有無について、メリット・デメリットをご紹介します。
この記事の目次
ツヤあり塗料のメリット
外壁塗装のツヤあり塗料はどんな仕上がりになるかというと、次のような状態になります。
・光沢感あり
・光の反射をしていてピカピカしている
このような仕上がりになると起こるメリット・デメリットは、以下の通りです。
新築のようなピカピカの仕上がり
ツヤあり塗料のメリット1つ目は、光沢感があり、まるで新築のような仕上がりになるという点です。外壁の色が褪せて彩度が低くなり、まるで新築のように鮮やかに光ることで、パキッとした印象を持たせます。
また、外壁の状態変化が分かりやすいというメリットもあります。
耐久年数が優れる
メリットの2つ目は、耐久年数が優れているという点です。
せっかくの外壁塗装、できれば長い間キレイな状態を保ちたいですよね。実は、ツヤあり塗料の場合は、ツヤなし塗料よりも約3年ほど耐久年数が長いのです。
そのうえ、塗装の際にかかる費用も、ツヤあり塗料のほうが少ないです。抑えた金額で長くキレイを保つことができるのが、ツヤあり塗装のメリットです。
汚れがつきにくい
メリットの3つ目は、汚れがつきにくいという点です。
ツヤあり塗装は、表面がつるつるとしているため、汚れが落ちやすいです。近年特に問題となっている、花粉やPM2.5、黄砂などの飛沫を防ぐことができます。建物にとっても人にとっても良くない成分が付きにくく、清潔な状態を保つことが可能です。
洗濯物や布団などが万が一外壁に付くことがあっても、ツヤあり塗装であれば、多少の汚れを防ぐことができます。
ツヤあり塗料のデメリット
ツヤの耐久年数が短い
一方で、ツヤありならではのデメリットとして、経年劣化によってツヤが目立たなくなってきてしまうことが挙げられます。
例えば、ツヤありの塗装の場合で、ツヤの目立つ期間は約2~3年です。実は、ずっとツヤのある状態を保つことは難しいのが現状です。ツヤがなくなると、ツヤなし塗装と同じような外壁になります。
塗りたては主張が強い
もう一点のデメリットは、光沢感の主張が強すぎてしまう場合があるということです。
塗りたての外壁は光沢感が強く、外壁塗装をしたことがすぐに分かり、チープな印象を受けやすくもなります。また、そのぶん目立ちやすくもなります。
そのため、デザイン性よりも耐久年数を重視する場合は、ツヤありがオススメです。
ツヤありの塗料がおすすめの環境
・家周りの交通量が多い
・海や山が近い
・キレイな状態をなるべく長く保ちたい方
ツヤなし塗料のメリット
ツヤなしの塗料は、ツヤありの塗料の中にツヤを出さない塗料を混ぜて作られています。その仕上がりはマットで、日光の反射をせずにシックな仕上がりです。
そんなツヤなし塗料のメリットは3点あります。
高級感が出る
1つ目のメリットは、高級感が出る点です。ツヤがないことで、重厚感やシックな印象になりやすいのが特徴ともいえます。
例えば、和テイストの家であったり、落ち着いた印象を好む方におすすめです。
経年劣化しにくい
ツヤなし塗装の2つ目のメリットは、年数が経っても美観に変化が少ない点です。
ツヤあり塗装と違って塗装直後の変化があまり見られないため、劣化の変化が目立ちにくいのが特徴です。このため、外壁塗装したての状態を長く保つことができます。
塗りたてが自然
ツヤなし塗装の3つ目のメリットは、塗りたてが自然という点です。
ツヤあり塗装では、塗った後の光沢感が出ます。しかし、塗りたてが目立つように感じ、あまり目立ちたくない場合にはツヤなし塗装をオススメします。また、「外壁塗装をやりました」感を出したくない人にもオススメです。
その他にも、住宅街の雰囲気や街並みを意識したデザインにしたい場合、ツヤなし塗装を行う場合があります。景観を合わせることで、自分の家だけがすごく目立ってしまうことなく、清潔感を出すことができます。
ツヤなし塗料のデメリット
耐候性が低い
一方で、ツヤなし塗料のデメリットとして、耐候性が低い点が挙げられます。
外壁にツヤがないと、表面がつるつる滑らなくなってしまう為、「汚れが付きやすく落ちにくい」という状態になるのです。交通量が多い場所に家がある場合は、排気ガスなどの影響も踏まえ、外壁が汚れにくいツヤあり塗料をオススメします。
劣化が早い
ツヤなし塗料の2つ目のデメリットは、劣化が早いという点です。
冒頭で書いたように、ツヤなし塗料は、もともと<ツヤありの塗料の中に、ツヤ消しの塗料を混ぜている>という製品となります。そのため、たとえ耐候性に強い塗料を使用しても、ほかの材料を混ぜてしまっていることで、耐候力が低くなっている状態なのです。
この「ツヤの有無」で、劣化のスピードに3年ほど差異が出るとも言われています。外壁塗装の効果を長く持たせたい場合は、ツヤあり塗料を選択するとよいでしょう。
ツヤなしの塗料がオススメの環境
・和風テイストの家に住まれている方
・周りの景観が落ち着いていて、目立ってしまうのが気になる方
・美観の変化がわかりにくいほうがよい方
まとめ
外壁塗装の種類といっても、あまりイメージが付きにくい方が多いと思います。
今回紹介した、「塗料のツヤの有無」だけでもこれほど違いがありますので、塗料を選択する際には、好みだけで決めるのではなく、住んでいる場所の環境などを踏まえて考えると良いかもしれません。
完成後を想像することは難しいかもしれませんが、そういったヒントをもとに考えることで、完成した後のギャップが少なくなります。塗装後、この先10~20年付き合っていく住宅をもっと好きになれるのではないでしょうか。
ぜひ、外壁塗装の際は参考にしてみてくださいね。