外壁塗装をする際には、外壁の付帯部や屋根の塗装も一緒にしていきます。
そんな作業のなかでも、今回は、瓦屋根の屋根塗装について説明していきます。
瓦屋根の住宅にお住まいで「瓦屋根は塗装の必要がない」と思っている方もいるでしょう。実は、それは少し違います。というのも、瓦の中にも様々な種類があり、その特性や状態によって塗装が必要な種類もあるからです。
まずは、瓦とその特徴について理解することが重要となります。
塗装を行うことは、外観を美しく保ち、耐久性を高める重要な要素です。
瓦屋根でお困りの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
瓦とは?
ではまず、瓦とは一体何か?ということから説明します。
瓦は、古くから使われてきた屋根材です。一般的に、粘土を原料として作られています。
その形状や色合いは、地域や種類によって異なります。しかし、そのどれもが、美しい外観と耐久性を兼ね備えています。
瓦の種類や特徴、そのメリット・デメリット
粘土系瓦
粘土系瓦とは、主に粘土を原料として作られた瓦の一種です。
これは和瓦とも呼ばれ、いぶし瓦、無釉瓦……といった複数の種類があります。これらは日本の伝統的な屋根によく使用され、曲線美や色合いが特徴です。
粘土系瓦は、粘土を成形し、乾燥させ、高温で焼いて作られます。この過程で粘土が固まり、硬化して耐久性を持つ瓦となります。
【メリット】
①耐久性が高い
粘土系瓦は、その素材の特性から、非常に耐久性が高く、長期間の使用に耐えることができます。また、風雨に強いため、日本の気候条件に適しています。
また、粘土系瓦は表面を漆喰でコーティングしているため、瓦自体を塗装する必要はありません。しかし、瓦以外の部分はメンテナンスが必要な場合があります。
②デザイン
粘土系瓦は多くの場合、自然な赤や茶色などの色合いを持つ瓦です。その色味は、独特の風合いや質感を感じさせます。
【デメリット】
①重い
粘土系瓦は、他の屋根よりも瓦の重量が重いです。そのため、耐震性は、他の屋根と比較しても低いです。
②衝撃に弱い
粘土系瓦は、瓦自体が衝撃を受けると、ひび割れが起きてしまいます。その場合に放置しておくと、雨漏りの原因となるため、瓦の交換が必要です。
セメント系瓦
セメント系瓦は、セメント(水、骨材、セメントを混合したもの)を主原料として作られた瓦の一種です。主に、セメント瓦、モニエル瓦などの種類があります。
メリット
①耐久性が高い
セメント瓦は一般的に、耐久性が高いです。そのうえ、強度や耐久性に優れています。
また、セメント瓦を使用することで、比較的コストが抑えられる場合もあります。結果的に、コスト効率の良い選択肢となることもある商品です。
デメリット
①防水性
セメント系瓦は防水性が低いため、定期的にメンテナンスを行わないと雨漏りの原因となります。
②デザイン
セメント系瓦は、ほぼモルタルのような見た目になります。表面にツヤと色のないシンプルなデザインです。
色味が欲しい場合、塗装をすることでデザイン性を高めます。
そのため、経年劣化が起こる可能性があります。結果的にメンテナンス費用がかかるため、注意が必要です。
瓦は塗装すべきか?
上記で紹介した二種類の瓦のうち、粘土系の瓦は塗装が必要ありません。しかし、セメント系瓦は瓦自体を塗装する必要があります。
そのため、塗装をする前に、ご自宅に使用されている瓦がどんな瓦なのかを調べておく必要があります。
調べた結果、粘土系瓦だったという場合も、外壁塗装の際に屋根の調査を依頼するとよいでしょう。
粘土系瓦は、一般的に塗装をする必要はありません。しかし、瓦が割れていないか、漆喰部分が劣化していないか、などの確認はしておくと安心です。
瓦を塗装しない場合の注意点
では、瓦のうちで塗装が必要な【セメント系瓦】を塗装しないとどうなるのでしょうか。
もしもセメント系瓦を塗装しない場合は、以下のことが起こる可能性があります。
①表面の劣化
セメント瓦は時間と共に劣化する可能性があり、特に色褪せや表面の変色が起こることがあります。そのため、見た目も悪くなっていきます。
②性能面の低下
塗装をしない場合、セメント系瓦自体に防水性がないため、長期間の雨や湿気によって屋根の表面が劣化してしまうと、雨漏りの原因となることがあります。
まとめ
瓦屋根のメンテナンスについて、参考にしていただけましたか?
一般的には、粘土系瓦は塗装を行う必要がありませんが、瓦以外の漆喰や割れが起きていないかなどの確認は必要です。
セメント系瓦は、性質上塗装が必要です。塗装を行わないと美観の面や性能の面で影響が出てしまいます。
塗装の必要性を検討する際には、瓦の種類や状態などを考慮し、専門家の意見を参考にすることが重要です。
また、安心して毎日を過ごすためには、どの瓦屋根も定期的なメンテナンスが不可欠です。外壁塗装を行うタイミングで、屋根の点検も依頼しておくと流れがスムーズになります。
屋根のことでお困りの方や、外壁塗装を行う予定のある方は、ぜひ、屋根の点検も一緒にご依頼ください!