皆さんは、外壁塗装が施工方法によっていくつか種類があるのはご存知でしょうか?
その方法は、塗料を外壁に吹き付ける「吹き付け塗装」、ロール状のスポンジを使用し塗装する「ローラー塗装」、毛が先端に付いていて平たく幅の広い形状をした刷毛を使う「刷毛塗装」など様々です。
その中でも今回のコラムでは、ローラー塗装についてご紹介します。
ローラー塗装とは何か?特徴、できること・できないこと、他の塗装方法との比較、そしてメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
ローラー塗装とは?
ローラー塗装とは、毛やスポンジ状のローラーに塗料を含ませて塗り広げる塗装方法です。現在の外壁塗装の中で、最も主流な手法となっています。
なぜローラー塗装が主流なのか?それは、現在の住宅事情に適しているからです。
従来の吹き付け塗装は、風による塗料の飛散がありました。近年では、近隣の建築物やその他施設などとの距離が近く、吹き付け塗装では被害を出しかねません。
その一方で、ローラー塗装は塗料の飛散防止にも繋がります。これが現在の住宅事情とマッチしたので、普及したとも言われているのです。
ローラー塗装は、手軽で効率的です。
そのため、小規模な塗装作業から大規模な外壁のリフォームまで幅広く利用されています。
ローラー塗装のメリット
それでは、ローラー塗装にはいったいどんなメリットがあるのかを解説していきます。
①塗料の飛散防止
まず最初のメリットは、塗料飛散を防止できることです。
上記でも説明しましたが、ローラー塗装は、専用のローラーに塗料を含ませて塗装をしています。
そのため、近隣の方へ塗料が飛んでしまうことや、塗料を無駄にしてしまうことが少ないです。
②均一な仕上がり
次にメリットといえることは、仕上がりが均一に保たれることです。
ローラー塗装は、均一な圧力と動きで塗料を塗り広げるという作業を行います。そのため、凸凹やムラのない均一な仕上がりが期待できます。ただし、職人の技術にもよるところがあるため、注意が必要です。
仕上がりが均一になると、外壁塗装の仕上がりが美しくなります。
また、機能面や保護という役割をきちんと果たす外壁に仕上がります。
③手軽な操作性
続いてのメリットは、ローラーには操作性があることです。
ローラーは取り扱いが簡単なので、初心者でも使いやすい特徴があります。これにより、DIY愛好者や個人所有の住宅でも比較的容易に利用できます。
④壁に模様を付けることができる
最後のメリットは、使用するローラーによって壁に模様を付けられることです。
例えば、「マスチックローラー」というローラーがあります。このローラーは、本体が網目状になっているのが特徴です。 そのため、モルタルなどの粘度の高い塗料を厚みをつけながら塗るときに使用します。
ローラー塗装のデメリット
さて、これまではローラー塗装のメリットといえる点を解説してきました。
続いては、ローラー塗装のデメリットについて解説していきます。
①ローラーの種類が必要
まず一点目のデメリットは、塗装する箇所によってローラーの種類を変えることです。
先ほどメリットとして説明した「マスチックローラー」を例にします。
これは、砂骨ローラー・多孔質ローラー・パターンローラーなど、塗る箇所によって細かく分けられています。
よって、広い範囲や複雑な構造の場所を塗装する場合は、材料費がかかります。
②作業時間
続いてのデメリットは、作業時間が長くなることです。
吹き付け塗装は、広い範囲に噴射することで手間を削減できます。しかし、ローラー塗装では、すべての工程が手作業となります。結果、作業時間が長くなるということです。
③技術力
最後にデメリットとして挙げられるのは、技術力が必要になることです。
いくらローラーの操作性が良くても、技術力で差が出てしまうのが手作業というもの。
例えば、ローラーに含ませる塗料の量や、均一になる力のかけ方などの技術です。
こうしたムラができにくくなる塗装方法には、ある程度の技術が必要になってきます。
ローラー塗装には向き不向きがある
ここまで紹介してきたローラー塗装ですが、ローラー塗装には向き不向きがあります。
もしも希望の完成形に対して、ローラー塗装ができないという場合は、その他の塗装方法を使用してカバーします。
続いては、ローラー塗装の向き不向きと、その他の塗装方法について紹介していきます。
ローラー塗装に向いていること
①一般的な外壁塗装
ローラー塗装は近隣への塗料の飛散が少ないため、一般的な外壁塗装を行うのに優れています。
②小規模な修繕
ローラー塗装は、小規模な修繕作業にも対応することができます。外壁に生じた小さなひび割れや塗膜の剥がれなどを修復することができる場合があります。
ローラー塗装に向いていないこと
①複雑なデザインの実現
ローラー塗装は、基本的に単色やシンプルなデザインに向いています。ローラーの形状が、複雑な模様やデザインの実現には向いていません。
複雑な模様が必要な場合は、刷毛や筆などの細かい作業が可能な塗装方法が選択されることがあります。
②高層建築物への適用
ローラー塗装は屋根や高い位置の外壁に対しては制約があります。主に、高層建築物や難易度の高い場所への適用が難しいことが多いです。
その他の塗装方法
吹き付け塗装
噴霧機を用いて塗料を吹き付ける方法です。均一な膜厚が得られ、迅速な作業が可能なため、大規模な建物の塗り替えの場合は吹付が選択されることがあります。
刷毛塗装
伝統的な方法で、細かい箇所や細部に塗料を塗り広げることができます。手仕事による細やかな仕上がりが可能です。
まとめ
ローラー塗装は、手軽な操作性と均一な仕上がりが特徴です。
小規模な修繕から大規模な外壁のリフォームまで、広範な範囲で活用されています。
ローラー塗装を選択する際には、作業の規模などに応じて、適切な塗装方法を検討することが重要です。