塗装材の種類って?外壁塗装で使う「弾性塗料」について紹介します!

外壁塗装は建物を美しく保つだけでなく、耐久性と保護性も確保するための重要なメンテナンス作業です。外壁塗装に使用する塗料は沢山あり、ご自身の外壁にどのような塗料がふさわしいのか悩まれる方も多いと思います。

そこで今回は、数多くある塗料の中から「弾性塗料」について解説していきます。

このコラムでは、「弾性塗料」の役割をはじめ、メリット・デメリット、選択する時の注意点について詳しくご紹介します。


この記事の目次

塗料の役割についての記事▼

弾性塗料について

「弾性塗料」とは、その名の通り柔軟で伸縮性に富んだ、ゴムのような性質を持った塗料です。
この特性は、自然の変化や建物の動きに対応し、伸縮することでひび割れ防止に貢献してくれます。

弾性塗料の役割

弾性塗料の役割は、他の外壁塗装の塗料とほぼ同じです。
しかし、他の塗料とは違い、「伸縮」という特性を活かして建物の保護をしています。

弾性塗料のメリット・デメリット

では、弾性塗料にはどのようなメリット・デメリットがあるのかをご紹介します。

まずは、メリットについてお話いたします。弾性塗料のメリットは、3つあります。

①ヒビ割れがしにくい

まずはじめに、外壁にひび割れが入る原因をご説明します。

建物は前を通る車や、風、地震などによってわずかに揺れています。

建物が揺れるということは、外壁も揺れているということになります。そのため、少しずつ振動が積み重なって、経年劣化として外壁にヒビが入ってしまうことがあります。

一方、弾性塗料は、その特性によって塗料が伸び縮みします。
その動きが、揺れた建物の動きに追随し、ひび割れや剥離を防ぐ効果が期待できます。

これにより、外壁の美観の維持だけでなく、雨風からも建物を守ってくれます。

②外壁の保護力が高い

弾性塗料は、伸縮する特性を活かして、建物にしっかりと密着する性質があります。

そのため、雨水が塗膜内に入るのを防いでくれます。

また、弾性塗料は、塗膜を少し厚めに作るので、通常の塗料よりも防水性に長けています。

③美観の維持をしやすい

弾性塗料はヒビ割れしにくい性質を持ちます。そのため、雨や紫外線による損傷から建物を守ってくれる力が強いです。

特に、外壁の中でも、モルタル外壁との相性が良いとされています。

モルタル外壁は意匠性が高く、質感などを好みに合わせて仕上げることができるため、近年では特に人気です。しかし、他の外壁よりもひび割れが入りやすくなっています。

なぜひび割れやすくなっているのかというと、モルタル外壁は、セメントが主原料となっているからです。
そのため、防水性が低くなり、ヒビが入りやすくなります。

そのような特性を持つ外壁も、弾性塗料を使えば解決できます。

弾性塗料のデメリット

ここからは、弾性塗料のデメリットについて2つご紹介します。

①コストがかかる

弾性塗料は一般的に、他の塗料に比べて高価です。
また、期待耐用年数も約8〜12年ほどと言われており、比較的短い印象です。

そのため、ヒビ割れしにくいとはいえど、コストパフォーマンスはあまり良くはありません。

何を一番優先させたいかを決めてから外壁塗装の業者としっかり話し合うことがオススメです。

②塗る時に専門的な技術が必要になる

弾性塗料は、扱いにくい特性をしています。塗料の性質として、通気性が低いことが挙げられます。

そのため、塗った後に塗膜の中の湿気が外に放出できず、塗膜が一部膨らんでしまう場合があります。一度膨らんでしまうと、元の状態には戻りません。修繕をする必要があるため、その分のコストがかかるほか、膨らんだ場所も気になってしまいます。

また、弾性塗料を施工する前には、十分な乾燥を行う必要があります。

外壁塗装を行う前には、必ず高圧洗浄を行いますが、このときの水分を十分に乾かしてから塗装を行わないと、膨らむ原因となるのです。

このように、弾性塗料の施工には専門的なスキルが必要であり、DIYでの施工は難しいことがあります。

近年では通気性の良い弾性塗料も開発されてきていますが、プロに任せたほうが良いでしょう。

弾性塗料を選ぶべき場合2選

外壁塗装の業者が、弾性塗料を提案してくる場合があると思います。

その時は、以下のような【弾性塗料を使用した方が良い場合】に当てはまっているかもしれません。

①長期耐久型のコーキング材を使用している場合

外壁と外壁の間をつないでいるのが、コーキング材です。コーキング材は通常、時間が経つとともにゴム性能が失われて硬くなり、ヒビや剥がれが生じてきます。

しかし、一概にコーキング材と言っても沢山あり、時間が経っても硬くなりにくいコーキング材があります。その上から、非弾性塗料を塗ってしまうとヒビが入る恐れがあるため、弾性塗料を使用して塗装を行うことが多いです。

②劣化がひどいモルタル外壁の場合

劣化現象がすでに起きているモルタル外壁は、そのまま塗装することができないため、ヒビ割れを補修してから塗装を行います。

補修材はパテではなく、主にコーキングで使用されるものと同じです。そのため、その上から非弾性料を塗ってしまうと、同じようなヒビ割れが起こってしまうことがあります。こういった理由から、弾性塗料を使用することが多いです。

弾性塗料を選ぶ上での注意点

最後に、弾性塗料を選ぶ際の注意点を2つ、ご紹介いたします。

①窯業系サイディングボードには使用できない

窯業系サイディングボートとは、建築や住宅建設に使用される外壁材の一種です。

セラミックやセメントなどの素材を使用して作られており、熱を吸収しやすいため、夏場は通常の外壁以上に熱くなってしまうことがあります。

こうして外壁が高温になってしまうと、弾性塗料の塗膜が膨らんでしまい、剥がれの原因となってしまいます。

そのため、窯業系サイディングボートへの使用は避けた方がよいでしょう。

②専門家の助言を受ける

当たり前かもしれませんが、自分たちだけで「弾性塗料にしよう!」と判断することは危険です。外壁塗装は安くない買い物ですので、工事の結果を公開しないために、必ず専門家へ相談することをオススメいたします。

特に、弾性塗料を希望している場合は、その弾性塗料の効果を最大限に発揮するために、外壁塗装の業者にしっかりと見て判断してもらうことが大切です。

まとめ

弾性塗料は外壁塗装において、耐久性と保護性を提供する優れた選択肢です。その伸縮性により、建物の動きに対応し、ひび割れや剥離を防ぎます。そのため、美観の維持を追求するにはもってこいの塗料です。

しかしながら、弾性塗料は、専門的な技術が必要な塗料です。施工を希望している方は専門家の助言を仰ぎ、適切なメンテナンスを行うことが重要です。

建物の寿命を延ばし、美しさを維持するために、正しく弾性塗料を活用しましょう。