外壁塗装をお考えの方は、見積書の中に『コーキング』という文字を見たことがあるのではないでしょうか。
初めて見る言葉に、「これって塗装ではないのでは?」「絶対にやらなきゃだめなの?」と疑問に思った方もいると思います。
外壁塗装は、建物を美しく保つだけでなく、効果的な保護を提供するための重要なメンテナンス作業です。その中でも、コーキングは建物の美しさと耐久性を確保するために欠かせない要素になります。
このコラムでは、外壁塗装の『コーキング』に焦点を当てて解説します。『コーキング』の役割や種類、劣化現象と補修方法、注意点などを紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
コーキングとは
まず『コーキング』とは何なのかについて解説します。
コーキングとは、建物の外壁と窓・ドアなどの接合部や、外壁と外壁の隙間に適用される材料です。外壁をよく見てみると、ゴムみたいな質感の部分が外壁の一部に存在していると思います。その部分が、コーキングされている部分です。
コーキングの役割
コーキングの主な役割は、2つあります。
①密閉と保護
コーキングの役割は、雨水や風、塵埃など外部の要因から建物内部を守ることです。
そもそも建物は、壁を立て、その後に窓やドア、外壁などの部材を合わせてできています。そのため、多少なりとも隙間があるのです。その隙間から内部に水が入ってしまうと、下地材や建物を支えている部材にまで影響を及ぼしてしまいます。
こうした隙間を埋め、内部へ水が侵入しないようにするのが、コーキングの役割の1つです。
②緩衝材の役割
コーキングは、外壁どうしを繋ぐ緩衝材の役割をしています。というのも、コーキングにはゴムのような弾力性があるため、様々な変化に対応することができるからです。
実は、外壁は複数のパネルを繋ぎ合わせてできています。外壁のパネルには、サイディングボードやALCパネルといった部材を使用しています。
そして、こうした部材同士をピッタリ合わせてしまうと、いくつかの問題が生じるのです。
例えば、気温の変化による膨張収縮に対応ができない、地震の揺れなどでボードやパネル同士がぶつかり合ってしまう、といった問題が挙げられます。このようなことが起きないよう、外壁を作るときには部材同士を少し離して施工されています。そして、その空いた隙間(目地)にコーキングが使われるのです。
コーキングの種類と寿命
①シリコンコーキング
寿命: 約10年
耐候性に優れ、耐熱性があります。比較的安価で弾力性があります。
コーキングの上から塗装ができないため、あらかじめ色の確認が必要です。
通常は外壁や窓などの繋ぎ目に使用されます。
②アクリルコーキング
寿命::約5年
良好な弾力性を持ち、作業性が高く簡単に使用できます。価格が安く、コーキングの上から塗装が可能です。しかし、耐久年数が悪いためメンテナンス頻度は多くなります。
一般的に、木製窓枠やドアのコーキングに使用されます。
③ウレタンコーキング
寿命:約5~10年
強力な密閉効果があり、弾力性・耐久性が高いです。コーキングの上から塗装が可能です。
紫外線に弱いため、コーキングの上からの塗装が必要です。
多くの場合、屋根などの高い摩擦部に使用されます。
④変成シリコン
寿命: 約10年
カラーが豊富で上からの塗装が可能です。負担のかかる場所でも耐久性があるため、幅広い場所で使用することができます。
施工に接着剤の役割を持つプライマーが必要なので、手間がかかります。
外壁に良く使われるサイディングボードの隙間を埋める際は、ほとんどが変成シリコンです。
コーキングの劣化現象
コーキングは時間とともに劣化し、以下のような現象が生じることがあります。これらの現象が起こっている場合は、外壁塗装を行うことをおすすめします。
①ひび割れ
コーキングが劣化し硬くなることで、ひび割れることがあります。
②色あせ
太陽光によりコーキングの色があせることがあります。
③剥離
劣化し硬くなったコーキングが表面から剥がれ、効果を失うことがあります。
コーキングは自分で補修できるか
古くなっているコーキングはあるけれど、外壁塗装を行うほどではない。そこで、コーキングをDIYで行おうと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
結論、一部のコーキング補修作業はDIYで行うことができます。しかし、使用するコーキングの種類や方法によって、今後の外壁塗装に影響が出てしまう場合があるので注意しましょう。
しかし、「コーキングが劣化しているということは、外壁塗装をする時期である」ともいえます。そのため、自分でコーキングのみ補修するのではなく、全体を外壁塗装の業者に見てもらい、判断してもらうことがオススメです。
コーキングの状態を定期的に点検し、必要に応じて依頼しましょう。
まとめ
外壁塗装の『コーキング』は、建物の保護と美しさの維持に不可欠な要素です。適切なコーキングの種類を選び、定期的に点検することで建物の耐久性を確保することができます。
このコラムの中で挙げたような劣化現象が起きていなくても、コーキングの弾力性が無くなってきたなと感じたら、一度専門家に確認してもらうことをオススメします。